シブ大_映画音声解説ゼミ

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11月レポ ゲスト講師篇

11月の本ゼミ「吟行企画」での作句を指導してくださった市川未翔さんからのレポートが届きました!
実際の授業中の俳句などもアップしてもらいましたので、
是非、読んでみてください!

未翔さん、ありがとうございました~!



今回のお話をゼミ代表・たあこさんからいただいたときは、
ちょっと不安でしたがわくわくする気持ちが大きかったと思います。

なにしろ俳句を作ったことのない方ばかりで句会をするのは私自身初めて。
見える人と見えない人のペアでの吟行もかなり斬新な試みです。
戸惑いもありましたが、たあこさんの積み重ねてきたことと
私の道がこうしてリンクできたことがうれしかったです。
予想どおり、たいへん学び多いひとときとなりました。

当日は時間の制限もあって会場の周囲を散策するだけでしたが、
思い思いの景色をひろって五・七・五のことばに切り取る作業を、
みなさん楽しんでもらえたようです。
普段私が作句するときは、独り、ああでもないこうでもないと自分の中に向かっていく感覚ですが、
人と考えを交わしながら俳句を作るのもエキサイティングで良いものだなぁと思いました。
いくつか作品を挙げてみます。

・紅葉散る墓前にひとつコカコーラ
この紅葉は、黄色ではなく紅い紅葉を私は想像しました。紅葉の赤、お墓の黒、コカコーラの赤という色のコントラストに、冬の寒さが際立って感じられます。また、紅葉の葉の乾燥した軽さとお墓の重厚さ、そしてコカコーラの心情的な軽さの対比もあり、奥が深い句です。「缶コーラ」とかペットボトルのコーラではなく、コカコーラという商品名の俗物的な響きが非常に効いていると思います。最後に持ってきたことにより、句が引き締まっています。

・冬の雲ふいにただようお線香
これはお線香の香りが漂ってきて、立ち昇ってゆく様を詠んだもの。「冬の空」としなかったところが良いと思います。空に香りが昇るのは当たり前で、「雲」としたところに、作者の気持ちのけぶりも見えるようです。冬の雲とお線香の煙という、似ているようで似ていない、付かず離れずのモチーフが良いです。

・柚子なりて校庭テニス響きをり
黄色い柚子と白いテニスボールという球状の物体の組み合わせ。冬景色の中にある動きと音を、うまく詠んでいると思います。

・サラサラと落葉の音よ冬近し
・カラカラと枯葉舞い降り住宅地
前の句は季語がふたつ入ってしまいましたが(「落葉」と「冬近し」。季重なりといいます)、枯れた葉の様子を詠むときの音にもいろいろあると気づかされる句です。今回の吟行ならではの二句。
後の句の作者は
・ごつごつと桜紅葉の太きかり
という句も詠んでいます。対象を感じるためによく触れ、よく耳をそばだてている作者の姿勢が伝わってきます。この方は普段から俳句に親しんでおられるということで、さすがに擬音語の使い方がこなれていると思いました。

俳句を表すときに「十七音」と表現します。
五+七+五で十七。十七「文字」でなくて十七「音」です。
ことばが音となって俳句になります。
五音と七音の組み合わせは、私たちにとってうつくしく心地よく、
すんなりと心に響くリズムです。
俳句は音の文学だと思いますので、景色が見えているかそうでないかに関わらず、
こころのグルーヴとして俳句をつくるというアプローチもあるのではないかと、今回発見しました。

俳句の先生に、「みんなが見ているもので、誰も見ていないものを詠みなさい」と教わりました。
目に見えるもののほかに、もっと感じていることはあるはず。
それを自分に問いかけてみてことばにする、俳句の原点が今回の吟行にはあったと思います。


市川未翔
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